さびしさを  少し大きめの 封筒に入れて しっかりと その口を のりづけして 宛名を 書こうと思って 手が止まった テーブルのうえ 水たまりが 出来ていた そこを 飛び越えて 近所の ポストに 届けたいのに

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和合 亮一(わごう りょういち)


プロフィール (2017年 現在)

 これまで中原中也賞、土井晩翠賞、みんゆう県民大賞、NHK東北文化賞、福島県文学賞などを受賞。東日本大震災の直後からツイッター上で連作詩『詩の礫』を発表し、オランダのコンセルヘボウホールなどにて朗読をするなど国内外から注目を集める。詩集やエッセイ集、絵本などを多数刊行。特に震災後の著作は二十冊を超える。これらはフランス、ドイツ、ブラジルなどで翻訳、出版された。
 合唱曲やオラトリオの作詞や講演・朗読活動など。これまで吉永小百合氏、坂本龍一氏、佐渡裕氏、大友良英氏、後藤正文氏、中原昌也氏、高野寛氏など多数と共演。新しい国語や音楽の教科書・準教科書などに、詩作品などが掲載。最新刊は「詩の寺子屋」(岩波書店)、「昨日ヨリモ優シクナリタイ」(徳間書店)など。吉永小百合さんの新しい朗読CD「第二楽章 福島への思い」に震災以降の作品がおさめられたことで話題に。
 NHK復興サポーター。「ふたば未来学園」教育復興応援団。福島県教育復興大使。昨年の夏、福島市の稲荷神社にて「未来の祀り」を発起人として立ち上げて、3日間開催し、未来神楽などで話題を集めた。ラジオ福島パーソナリティーとしても親しまれている。昨年度、シンガポール・ライターズ・フェスティバル日本代表として招待を受けた。
 2017年7月、村上春樹の名訳で知られるコリーヌ・アトランの翻訳による詩集「詩の礫」がフランスにて、ニュンク・レビュー・ポエトリー賞を受賞。フランスからの詩集賞の受賞は日本文壇史上初となり、国内外で大きな話題を集めた。


その他 資料(2011年まで)

1968年福島市生まれ。国語教師。
第1詩集「AFTER」(1998)で第4回中原中也賞受賞。
第2詩集「RAINBOW」で高見順賞最終候補。
第3詩集「誕生」で現代詩花椿賞と晩翠賞最終候補。
第4詩集「地球頭脳詩篇」で第47回晩翠賞受賞(2006)。
日本経済新聞誌上等にて「若手詩人の旗頭的存在」と目される。
第5詩集「入道雲 入道雲 入道雲」
第6詩集「黄金少年」(2009)。
詩人・谷川俊太郎さんとの共著「にほんごの話」(2010)。

震災以降、地震・津波・原子力発電所事故の三重苦に見舞われた福島から、Twitterにて「詩の礫」と題した連作を発表し続ける。
アカウント(@wago2828)
海外でもフォロワーによって多言語に翻訳され、オランダの世界的コンサートホール、コンセルトヘボウにて行われた東日本大震災追悼コンサート(主催:ロイヤル・コンセルトヘボウ・オーケストラ/ジャパンフェスティバル財団)に招致、世界三大オーケストラであるロイヤル・コンセルトヘボウ・オーケストラと共演、詩の礫を朗読し、被災地が抱える思いを発信する(2011年5月)。

2011年6月、これらの作品群を、
「詩の礫」(徳間書店)=新潮ドキュメント賞および鮎川信夫賞最終候補、
「詩の黙礼」(新潮社)=萩原朔太郎賞および高見順賞 最終候補、
被災者と和合との対談と 新作詩で綴る「詩の邂逅」(朝日新聞出版)として書籍化、3冊同時出版。
これらの作品の一部は、これまで、作曲家・新実徳英氏、伊藤康英氏、上田益氏、信長貴冨氏、高嶋みどり氏の手によって合唱曲や歌曲として完成、また、女優・吉永小百合氏により国内外で朗読されるなど、世に広く送り出され始めている。

2011年5月には、ギタリストで世界的に活動する音楽プロデューサーの大友良英氏、元スターリンの遠藤ミチロウ氏とともにPROJECT FUKUSHIMA!を立ち上げ、終戦記念日でもある8月15日、福島の今を見つめ、世界に発信する世界同時多発イベントを開催。
坂本龍一氏のピアノ、大友良英氏のギターと共演・「詩の礫」を朗読。
イベントは1万3千人の来場者をあつめ、インターネットでは世界25万人の視聴を記録した。

ドイツの作曲家シュテファン・ハーラップ氏、フランスの写真家ティエリ・ジラール氏とともに、それぞれ震災にまつわる作品の共同制作を進行。

2011年12月、佐渡裕氏指揮の「サントリー 1万人の第九」冒頭では、南三陸町の防災庁舎前から作品「高台へ」(『詩ノ黙礼』より)を朗読、追悼の想いを捧げる。

震災から1年の2012年春、福島の25人に和合が一人一人の震災からの現実や想いを聴きとったインタビュー集「ふるさとをあきらめない:フクシマ25人の証言」(新潮社)、弔い・慰藉・祈り・希望・鎮魂と再起を願う詩篇と、甚大な被害をこうむった南三陸町在住の写真家が撮った美しいふるさとの写真とのコラボレーションによる写真詩集「私とあなた、ここに生まれて」(明石書店)、ジャーナリスト佐野眞一氏との対談集「言葉に何ができるのか~3.11を越えて」(徳間書店)、震災からの1年を詩とエッセイで綴る魂の記録「ふたたびの春に―震災ノート」(祥伝社)、の4冊を刊行。

2012年3月発行の河北新報3.11大震災復興企画 詩・楽曲集「ありがとうの詩」では、東日本大震災直後から宮城県に寄せられた支援に感謝の気持ちを伝えようと公募された「ありがとう」をテーマとした50作品を審査している。
日本マンガのアメリカ市場を開拓したTOKYOPOP社の創立者であるスチュウ・リービー氏が、東日本大震災の直後から被災者支援ボランティアをしながら撮影したドキュメンタリー映画『PRAY FOR JAPAN ~心を一つに~』に作品を提供、俳優 鈴木京香氏が朗読。この映画は全米16都市で公開、日本でも、震災から一年の区切として、ワールドプレミアイベント上映会などが行われた。

EUジャパンフェスト日欧現代詩フェスティバルin東京(2005)に日本代表の一員として出演。
中国青海省国際詩祭(2007)に日本代表詩人として招致。
韓国語訳詩集日本代表アンソロジー(2002)、日中現代詩プログラム中国語訳日本代表アンソロジー(セゾン財団2003)に作品収録。
共同通信で詩の時評を連載。(2004)
読売新聞文化欄で詩の時評を連載(2009~2010)。
日本経済新聞でエッセイを連載(2009)。

詩のみならず、評論・書評・コラム・校歌や記念賛歌、合唱曲の作詞も手がける。
(福島県立明星高等学校校歌/品川区立小中一貫校八潮学園校歌/箱根町立箱根中学校校歌/喜多方市立桐桜高等学校校歌/伊達市立国見小学校校歌/うつくしま未来博閉会式記念賛歌/福島市市制施行100周年記念賛歌/福島県立医科大学学生歌・・・等)
全国で講演・パフォーマンス・ワークショップ等多数。

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「詩の礫~和合亮一のアクションポエジー 」




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