教えたい

 福島を六時半に出発。朝の七時半には本宮の街にいる。出勤。

 朝の楽しみが一つある。ランドセルを背負った子どもたちの姿を眺めることである。

 集団登校が懐かしい。特に下級生の頃、歩道橋の階段でもたもたしてしまうので、毎朝緊張していたことを思い出す。五・六年生がとても大人に見えた。班長になることに憧れたものだった。 

 雄大な阿武隈川を見下ろせる昭代橋。本宮小学校へと通うたくさんの児童たちが、きちんと並んでやってくる。小さい子どもたちはきょろきょろ。三・四年生は手も足ものびのびと元気。そして高学年生。特に班長さんは、はっきりと分かる。顔つきが違う。

 一列を見送り、横断歩道を渡り切った後に、ドライバーにきちんと礼をしている少年の影がある。見とれているのは私だけではない。早朝のきぜわしい風景にこそ必要な何かが伝わってくる。一生懸命な背中を見て、後輩たちは必ずそれを受け継ぐだろう。

 あれが安達太良山。 

 私はそれを背にして歩く。橋の真ん中ですれ違う。大きな鯉が下を泳いでいるのを発見した。ぜひ教えたい。迷わずに歩いているのに列の邪魔は出来ないかなあ。しかも二匹も。流れに向き合って。