ううむ、謎だ
妙な話であるが、ふと朝の夢にナレーションが入ることがある。
自分で言うのも何だけれど、これがなかなかに美しい言葉と声なのである。しかし目覚めると覚えていない。
これは夢であると途中で気づく。この時は懸命に記憶してみようとする。しかし例えば必死で握ったロープがするりと抜けていくような感触で消える。
反対にきちんとナレレーションが終わって、自分なりにその語りにじいんとしていると(中味はやはり忘れてしまうが)、きっぱりと目が覚めることもたまにある。
物語の終わりを知っていたのかもしれない。自分をそれなりに尊敬してしまう。ちなみにナレーターは誰であるのだろうか。分からない。朝から気になって仕方がない。
ある心理学者にこの悩みを話した。夢とは自分だけが観る一本の映画であると教えられた。その時に味わいたいものが上映されるのだ、と。むむ。分からなさは深まるばかり。
ある作家はいつも夢の日記をつけている。そこに創作のヒントを見つけている。なるほど。私はまずそこで語られているフレーズを夢の世界から持ち帰ってみよう。詩になるかも。この間はその後にコマーシャルも入った。
ううむ、謎だ。