ならば一緒に

 ある空港にて。搭乗口へ。手荷物検査場の入口の前で、人々はお別れすることになる。

 母と息子と小さな妹。にぎやかだ。かなり前から父とたくさん話している。これから送り出す様子である。

 やがて彼は検査のゲートを抜けていった。母と息子は一生懸命に手を振っている。厚いガラス越しに父も手をかざしている。

 私もゲートに入ろうとする。大人の膝から上ぐらいの身長のその女の子が、自分もバイバイがしたくて、背伸びをしたり、二人の顔を見たりしている。しかし見送りに懸命で気づかない様子である。

 思わず後ろから持ち上げたくなったが、見ず知らずの私がそれは出来ない。この子も手を大きく振りたいのではあるまいかと夢中の両者に進言したいのだが勇気が出ない。

じれったい気持ちでゲートを抜けた。残された家族のことが気になって、すぐに後ろを振り向く。女の子が高い所から手を動かしているのが見えた。お兄ちゃんが肩車してあげている。ほっとした。

 今度は父親だ。あらためて見回してみる。すぐ目の前でにこにこしている。カバンからカメラを取り出し、見送る三人の写真を撮り始めた。旅に出る前の記念写真。私も一緒に写りたくなった。