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小さな石ころが こつこつと話しかけてくる あなたの悲しみは そのままに 怒りは そのままに 寂しさは そのままに 拳や 涙や うつむく日々は みな 明日の あなたを 目覚めさせる 迷わずに 石ころの転がるままに
そんなに強がることはない 大きな木でも 小さな木でも もたれかかるといい どんなに遠く離れていても ここが きみのふるさと しばらく 涙を流すといい
青空に追われて 走ろう 背中にそっと 触れた何か 振り向けば 誰もいない だけどまた 追われている気がして 走る 背中に乗った 世界の感触 ああ これが 雲の 足跡なのか
静かな慈しみが海ならば はるかな祈りは空である
「避難者いじめ初の全国調査」「二十隻を超える漁船が港に戻った。十三日にコウナゴの試験操業が始まる」「震災(原発事故)関連死は二千百人余り」
「桜の木が切られていた」「(避難者の数は)ピーク時の半分になった」「いまだに八万人もの避難者が不自由な生活を強いられている」「(影響は)全くない」「大波小学校が閉校式典」
「民主党政権当時の12年の会見は野田佳彦氏が行い、13年以降は安倍氏が毎年実施。被災地復興への取り組みなどを説明してきた。質疑のない式辞では、国民に対する説明が不十分となることも予想されるが、菅義偉官房長官は会見で「(影響は)全くない」との認識を示した」
「政府は10日、東日本大震災の発生翌年の2012年から3月11日の節目に合わせて開いてきた首相記者会見を打ち切ることを決めた。震災から6年となり、「一定の節目を越えた」(政府関係者)と判断した。安倍晋三首相は11日に政府主催追悼式で式辞を朗読するが、会見は行わない」
黙礼
黙礼
私の通っていた小学校の隣 大波小学校は 通ってくる子どもさんがおらず 今月の26日に閉校式典が 行われるそうです よく 遊びに出かけた学校でした そのような記憶までもがさびしくなる わたしのふるさとがあります
家の近くの桜の木が 根もとから 切られていました これからは この失われた影を 何度 思うことでしょう いつもの日常が またひとつ 消えてしまいました 春ばかりが 急いでいます
霜が降りていました 陽がさしてきました 祈ります 3月11日の朝に 鳥になったまま 戻ってこない人々を想います 手を合わせて祈ります 雲を見上げて
本日 毎日新聞 朝刊「希望新聞」にて
孤独だからこそ 手をつなぎませんか だからこそ手を にぎりませんか だからこそ 空をみあげませんか ゆっくりと 春だけが急いでいます わたしたちは まだ 靴のひもを むすんだばかり
たった一人で 考え続けています どうして私は いつもたった一人なのかを たった一人で
朝の福島は 青い空です みなさんの街は どうですか 空から たくさんの色彩が降ってきています わたしの心の色も あなたの心の色も そして 白い画用紙を 前にして どのクレヨンにしようか わたしたちよりも 小さな わたしたちは あれこれと 触っています 明日がめぐってくるから
はるかな街で 朝の通学路に 車が飛び込み 身代わりになって ランドセルを 背負った 子どもたちを守った 男性のことを想っている 数十年前に 幼い娘さんを 事故で亡くされて それから 朝の通学路に 立ち続けた方だった 守るという生き方を想う 3月11日がめぐってくる
さびしい気持ちが 幼い子どもの姿をして 僕をみあげている
さびしい気持ちが 幼い子どもの姿をして 僕を みあげている 抱っこして 抱っこして って 言っているみたい この先 電車が揺れるから あぶないよ こっちに おいで
ふと 眠気がやってきて 電車に揺られながら 目を閉じると トンネルにさしかかる でも みなさんも 必ず さしかかります おそらく今晩も 眠る前に
イヤホンから 少し 音楽がこぼれている 隣の席からも 向かいに座る 人からも それぞれの 秘密の 音楽が混ざり合う まばらな人影 早い朝の電車 春が急いでいる
季節がある日に はるかな昨日からやって来て わたしたちの明日に 言葉を忘れていった 生きることの寂しさや 悲しみや優しさの中で わたしたちは ああ 春が来ていたのだと 思い出したように気がつくのだ
春がある日に はるかな山々からやって来て わたしたちの暮らしに 枝や葉を置き忘れていった またかあ などと目くばせしながら わたしたちは 揺れる木のこずえを見あげているのです
春がある日に はるかな海からやって来て わたしたちに おだやかな光と波の音を忘れていった 耳をすませてごらん きみにささやきながら わたしたちは 手をつないで また つないで
春がある日に はるかな海からやって来て わたしたちに おだやかな光と波の音を忘れていった 耳をすませてごらん きみにささやきながら わたしたちは 手をつないで また つないで
春がある日に はるかな平原からやって来て 街に風を置き忘れていった 仕方ないなあ などと笑いながら わたしたちは それに吹かれていくのです
明日 3月11日は 東日本大震災慰霊塔のある 福島市 安洞院 慰霊祭にて 新しく書かせていただいた詩を 朗読し 奉納させていただきます
掻き傷だらけの冬だ 皮膚のうえに川の空想があるからだ 爪あとにおびえる わたしらはいつまでも皮膚の内側で のどを鳴らすしかないからだ
ふるさとを思う なつかしい気持ちになって 歌でも歌いたいところなんだけど 上手く歌えないし 窓にもたれて 夜が更けていくのに まかせて 口笛を吹いてみる 心の中で ずっと 風が吹いているから 口をすぼめて 息を 優しく 涙が出てくるね
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