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きみに ぼくは 伝えられなかったことがあるんだ だから どうしてもきみに会いたいんだ ぼくは ほんとうは鳥 ほんとうは雲 ほんとうは雨 ほんとうは宇宙 ほんとうは 落とし物の 春の切符
ぼくたちのさびしさは どこにあるのか 交わす言葉のなかに 捨てられた新聞のなかに 人が行きかう雑踏のなかに ふと口ずさむ鼻歌のなかに いつかふりあげたその拳のなかに 見あげた新しいビルの窓に 枝の先のつぼみのなかに 語られなくなった 幼い頃の野山の記憶のどこかに
ぼくたちの孤独は どこにあるのか 言葉にしたくとも出来ない 昨日から明日への レールの上に ぼくたちの優しさはどこにあるのだろうか 駅前に倒れたままの自転車に あるのだろうか タクシーに乗って ぼくたちの悲しみは どこまで行くのだろうか それをぼくたちはまた 見送るしかないのだ
タクシーに乗って ぼくたちの春は どこまで行くのだろうか それをぼくたちはまた 見送るしかないのだ ああ春が急いでいるよ ぼくたちは きみを見つけたいのだ ずっと あの日から そればかりを考えているよ ずっと
山田徹監督作品「新地町の漁師たち」福島民友新聞 一面にて紹介 東京は震災のあった11日から 福島は4月から公開です
言葉にすることで 分かることって ありますよね たとえば なんだか 楽しいとか ほんとうは 寂しいとか 楽しい さびしい という言葉が 心を触ってくれることが ありますよね 言葉に 出来ないこと 言葉が 出来ること 言葉に 出来ること ああ今朝も 春が急いでいる
言葉にすることで 分かることって ありますよね たとえば なんだか 楽しいとか ほんとうは 寂しいとか 楽しい さびしい という言葉が 心を触ってくれることが ありますよね 言葉に 出来ないこと 言葉が 出来ること 言葉に 出来ること ああ今朝も 春が急いでいる
なにかを受け止めきれないままに 背中を押されているようにして 毎日を急いでいる 言葉に出来ないことが まるで 当たり前のことだとして だけど なにかが違うことも 本当は良く分かっている 忘れてはいない 言葉にならない 夕暮れの寂しさを 流した涙を
少しずつ春へと向おうとしている朝の雪をお届けします
職場のある街の 駅のホームに降りたら 雪景色 詩のことを 考えていて 気がつきませんでした ! 福島駅は あんなに 晴れていたのに この感覚 福島の感覚です 今朝に お風呂場の 電球が 切れたことを 思い出しました
ふなの影が次から次から集まってくるように 黒い足あとが集合するから 初めから終わりまで春の夜は口を割らないのだ 銀色の腹を見せて魚たちは暗転する 静かに息をしながら樹木は髪を逆立たせて人になろうとする 春のその魚類の口に集まるのは薔薇の藪
陽の光が照らしているのは 脱皮したばかりの ノコギリクワガタの複眼でしかない 新聞紙の上でサングラスを分解して新しい計画を立てよう 背中の羽根が激しく暴れるから白い馬は真っ黒くなったのだ 木々はざわめき沈黙は髪を束ねるのだ 残酷な春だ
たったいまの駅で 友人が 降りていく姿がありました わたしは 見つめて 手を振りました 気がついて もらえませんでした わたしは友のことを想っている 友は今朝の私を知らない 面白い 春の朝
福島駅から上り線 これからの季節は 進行方向に向かって 左には乗らないのです 太陽の光が 後頭部を照らすから 一気に 思考が 熱くなる気がしてしまうのです もっとゆっくりと そろそろと 考えを漕ぎだしていきたいから そう 静かな沼に舟を浮かべるみたいに だから 右側に乗ります
直感は 朝にやって来ます 朝 4時に起きているから それが よく分かります 夜は抜け殻です 笑 だけど 今日は 夜に とある教室で 「直感」について 話をします 大丈夫かな 次回は 早朝に 話を させてください
朝日が とても強くて 驚いています 本日の福島は 夜に零下となり 朝の四時は寒かった フロントガラスも凍っていたから 水を少し あたためて 溶かしたのです この 二 三日は そんなことなかったのに しかし 今は 強い太陽の光 この感覚 福島の感覚
いつもの朝の電車に 今日も間に合いました 缶コーヒーを必ず 買い求めます 座ると 一口 含みます この瞬間の繰り返し コーヒーを飲みたいと 思わない朝は あまり調子が 良くないのです 今日も 美味しい このような繰り返しを 春の朝 誰もが 生きています
余震のさなか 十数日もの間 お風呂に入れなかったことを想い出します 水が無かったからです あの日からずっと わたしは わたしを 着ているままなのです 誰か わたしを 脱がせてください
国境に放置している自転車を漕いでいる陽炎の弟を タバコの葉の畑で見失った記憶が 思惟の零度の坂道を駆け上がって来る 紫色の名刺を重ねたまま航空母艦は 新しい銀の蠅を不時着させているばかりだ
歯形の冥王星が火だるまになって転がる 燃え上がる諦念のプウルの底で 天使がボオルペンを落とした 僕はまだ林檎の中で眠ったことがない
魚の腹が白く光りながら屋根を照らしていった 握り飯を包む銀紙の裏には腕時計の影が隠れている 名刺の裏に真っ赤な地図が浮かんだが それが忌まわしい燃え上がる猫の家系図だ 腹話術ばかりを繰り返す奈落がマッチの箱に入っている
この黒板には宇宙の半分がある 俺たちは千年の歴史に火を点けたばかりだ チョークは何億本も折れている
鉄塔が並んでいる川原があります そこを歩くのが好きです この世界に生まれる前の人生を想います そうして春がやって来ます
誰かの悲しみを少しでも分かりたいと想うのだけれど 上手くそれをその誰かに伝えられない その誰かだってわたしに教えたいとは想っていない そのようなことをあれこれと想っているうちに 想いだけが残っていくものです 電球が切れたので ソケットから外しました 久しぶりに電球に触った
また めぐってきた3月を過ごして もう一度 ツイッター(つぶやき)と 向き合ってみようと想う 硬くなったつぼみのようなものを感じながら 色々な言葉を探してみたいのです そのようなことを いまさらながら 想っています
不思議な予感がして お風呂場へと行ってみたら 電球が切れていました これだったのか と そういうことが たまにあるものです わたしは 今日も朝の4時に 起きました 上手く 目覚めることが出来ました だいたいは いつも朝に 入浴します 今朝は うす暗い お風呂場です
毎日新聞連載 「詩の橋を渡って」掲載をありがとうございます〜
雲が通り過ぎていって 贈りたいものがある 記憶のなかの 花のつぼみとひとすじの涙を この世界にきみが生きている証しを 風が吹き過ぎていって 囁きたいことがある 手帳に はさめている 四葉のクローバーのことを これからきみに訪れる幸運を
列車が通り過ぎていって 見つめたいものがある 駅のホームに咲き始めた小さなクロッカスを それに微笑んでいる優しいきみを 季節が過ぎようとして 分かり合いたいことがある 僕ときみに 育ち始めている静かな愛を 立ち止まり ふり返り やって来る春を
あなたの眼の中を疾走する雲
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