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国境に放置している自転車を漕いでいる陽炎の弟を
タバコの葉の畑で見失った記憶が
思惟の零度の坂道を駆け上がって来る
紫色の名刺を重ねたまま航空母艦は
新しい銀の蠅を不時着させているばかりだ
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2017.03.08更新
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歯形の冥王星が火だるまになって転がる 燃え上がる諦念のプウルの底で 天使がボオルペンを落とした 僕はまだ林檎の中で眠ったことがない
余震のさなか 十数日もの間 お風呂に入れなかったことを想い出します 水が無かったからです あの日からずっと わたしは わたしを 着ているままなのです 誰か わたしを 脱がせてください