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あなたは風を起こす。 あなたは雲を流す。 あなたは船に帆をあげさせる。 あなたは天地の人の 髪の毛を吹いて 渦巻かせようとします。
あなたは強い光を発しようとしています。 騒がしさは空や森や海を燃えあがらせます。 あなたは生まれようとする赤子を知っています。 誕生しようとする未来の産道を照らし出そうとします。 母になろうとする人間に 宇宙の息吹を教えようとします。 鳥がさえずります。
こちらのあなたへ もしもし。
今日を 故郷で 生きてきた 暮らしてきた その膨大な一日を 全ての歳月を あなたはその赤い色に 込めてわたしたちを 一日の夕食と安らぎへと誘うのです。
それはたとえるなら火です。
あなたは全てのものと鮮やかに 別れを告げようとしています。 すぐに消えていこうとします。 しかしたくさんの足跡を、 一日の存在のしるしとして 残したいと望んでいます。 それが真っ赤な色になって、 土や水や窓や開いたままのノートや 家路を急ぐ人の瞳に残そうとしています。
もしもし、そちらのあなたは。
その時、あなたは何かがさえずるのを知ります。 それは巣で親を待っている雛です。 この時、 あなたはあなたであることを止めようとはしない。
もしもし、こちらのあなたへ。 あなたは鳥のさえずりに気がついています。 まだ夜の明けないうちから、遊びだすようにして、 庭をとび跳ねて飛躍しています。 それぞれがくちばしと心とを持っています。 鳥たちは羽根をわずかな光に震わせながら 朝の時間を待ちわびています。
あなたは答えのない質問そのものです。
あなたは誰なのですか。
わたしは、朝に目覚めて、 次から次に優しい質問ばかりが あふれてきてどうしようもなくなります。 目覚め、それ自体がもはやひとつの質問です。 何かを知りたくて。しかしまだ未明。 押し黙るしかない。
もしもし、そちらのあなたへ。 あなたは、あらゆるものを照らし出そうとしています。 いつも いくつかの約束があります。 もうかなえられないものもあります。 それを思い出して あなたはさらに時の山脈へと水路へと分け入っていきます。 あなたはどのような相手と指切りをしたのですか。
詩の礫
あなたの声は どんなメロディよりも わたしを励ましてくれる あの日 雨音ばかりを聞いて 晴れ間のない空を眺めて 泣いていたばかりの わたしだったけれど あなたはわたしを 明るい陽ざしのもとへと 連れ出してくれるのです
ある日 友だち は どんな 友だち が 本当の 友だち なのか 分かる それは 友だち だから 分かる ことさ
ある日 命を語るには 言葉が足りなくて だけど語らずにはいられなくて あらためて 話すには どこから始めたら 良いのか 分からなくて それで まず きみは 友だちと 目配せするのだ 今日が どんなに 暑い日だったのかを
ある日 サッカーボールを蹴り返して 校庭の木の前で 枝と葉に見とれて 少年はこの地球の 足音を聞くだろう 暑い日の盛り ボールを追いかける たくさんの友だちの影は この 新鮮な彼に 世界横断の 夢を抱かせる しばらくして ロングパス
言葉探り 8月11日鼎談 福島の詩人 和合亮一さんら(福島民報) – Yahoo!ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170727-00000479-fminpo-l07 … @YahooNewsTopics
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