くだものの箱には

畑の脇道を歩く
子どもの声や
坂の下へと続く
猫のあしあとや
一日の出口に
うつろう
夕暮れの雲が

土と風の毎日が
ずっと詰まっています
ふるさとの春と夏と秋の
光を押し込めるようにして
これからふたをして
封をします

せいいっぱいに
甘い香りを贈ります

冬の家に届きます

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2017.12.06更新