Twitter log
2018年10月15日
あなたにとって
かけがえのないもの
わたしにとっても
ふたつめはないもの
たとえば
それは
あなたにとっての
わたしです
あなたのさびしさは
わたしのさびしさ
あなたの孤独は
わたしの孤独
夜が深まる
いま
同じ涙を
流している
ところです
2018年10月15日
涙が
止まらないときは
うそをつく
悲しいから
涙を
流して
いるんじゃない
涙が
流れるから
悲しいのだ
と
すると
涙は
うそを
つかれたまま
もっと
静かに
頬を
濡らして
くれる
2018年10月15日
さびしさは
果物の内側にある
それを探し当てたくて
わたしはナイフを入れる
甘い果肉も
したたる汁も
いらない
たった一個の
泣きたくなるような
種子が
真ん中に
確実に
あればいい
皮を剥けば
涙が流れる
2018年10月15日
目覚めると
明かりの
スイッチを
目覚めると
ヒーターの
スイッチを
目覚めると
コーヒーサーバーの
スイッチを
目覚めると
洗面室の
スイッチを
その後で
ゆっくりと
心のスイッチを
2018年10月14日
一つの樹に
話しかけたい
心のどこかから
知らない言葉があふれてくるから
樹の枝に
もたれかかりたい
気持ちのずっと奥から
知らないさびしさがこみあげてくるから
樹の葉に
ささやきたい
涙の奥に
知らない悲しみがあるから
樹の影に
たずねてみたい
強く抱きとめてくれる
太い幹はどこにある
2018年10月14日
欠席して
みることにした
人生を
だから
どこにも
いないはずの
わたし
なのだけれど
じゃあ
いったい
どこへ
行けば
いいのか
せっかく
休もう
としたのに
いつもの
人生は
追いかけて
きて
今夜も
わたしの部屋には
ずっと
待っているだけの
明日の
バス停と
わたしの影が
あります
2018年10月14日
風に吹かれて
雨に打たれて
雲に追われて
悲しい木があります
立っているだけで
それだけで涙が出てくる
どうして立っているの
もうそんなに
続けることはないんじゃないか
それでも木には
木の立場がある
一所懸命になって
立っている
2018年10月14日
あなたが
想ってくれていること
わたしは よく分かっています
だから
あなたに いつも感謝をしている
けれど それを うまく伝えられない
いま あなたに
涙を ではなく
心を 伝えたい
それなのに
涙だけが こぼれてくる
嘘をつくことは出来ないものか
涙に
わたしに
2018年10月14日
とても疲れているのに
体を休める方法が分からない
それを考えすぎて
もっとくたびれてしまう
とても優しくしたいのに
愛する方法が分からない
それを考えすぎて
なんだか涙が出てしまう
とても寂しいのに
誰かと紛らす方法が分からない
それを考えすぎて
本当に一人ぼっちになってしまう
2018年10月14日
日曜日の次は
月曜日です
水を沸騰させなければ
お湯にはなりません
僕はコスモスが
好きです
日本は
島国です
木が揺れています
風が吹いているからです
…
あたりまえのことの
終わりに
伝えたいことが
あります
2018年10月14日
洗い終えた
一杯のお茶碗に
一杯のコーヒーカップに
一枚の絵皿に
静かに
一日の
季節の
十数年の
時間を
命を
庭の木の影を
感じて
黙って見つめる
清潔な器になって
明日を
待っている
2018年10月14日
あなたが ふと
ほほえんでくれると
辛いことがあったとしても
世界がたちまちに
味方についてくれたような
気持ちになります
だから
あなたに
ほほえんでほしい
わたしも あなたに
たくさん
ほほえみたい
青空に
雲に 木に
鳥のさえずりに
2018年10月14日
眠る子のほっぺたをこっそりとなぞってみた 美しく堅牢な街の瓦礫の下敷きになってたくさんの頬が消えてしまった こんなことってあるのか比喩が死んでしまった 無数の父はそれでも暗喩を生き抜くしかないのか 厳しい頬で歩き出して