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閉館した 夜の図書館にて 空白の書物が 書棚に整列している 想像してみたまえ 言葉にならないものばかりが 書物にはさまれている このときを 書架の闇 床を這うのは黒い夜
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2016.09.24更新
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> 閉館した 夜の図書館にて 空白の書物が 書棚に整列している 想像してみたまえ 言葉にならないものばかりが 書物にはさまれている このときを 書架の闇 床を這うのは黒い夜
書物の棚の前に 立ってみたまえ それぞれの空白を それぞれの頁に挟みこみ 美しく整然と並ぶ あらゆる無 書物という故郷を喪ったまま それでも文字は 床を這い 呼吸する ほら 忌まわしい執念の吐息が 闇の中に聞こえるはず
わたしたちは 闇の底で もはや わたしたちに質問する なぜ生きる 何を信ずる 何を悲しむ 何を求める 何を愛する 問い続ける その言葉も 「問い」からこぼれ落ちていく 絶対的質問の闇 その恐怖