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詩ト詩ト歩ク
ファアルボウルだ 難しい球を打ちたいと思っていると 必ず 外れてしまう わたしの人生など このようなことの連続だ だけど 三級三振よりは いいかもしれない また ファウルボウル いや 美しい三振もある 胸の奥で 誰かがが わたしの声で呟く
詩ト詩ト歩ク 霞城公園
大きなホームランを打った記憶を胸に生きていくといい
ボオルをほおりなげるとしずかにしあいがはじまるやさしいかけごえだこのグランドにクリーンヒットのおとがひびきわたるときにあなたはめざめているはるかなまちでくらすあなたにこのやまがたのそらのつぶやきをつたえたいわたしはいきていますあなたとおなじこのじだいをこのくにをこのいまをきぼうを
グローブにおさまるボールの音 秋のあしあと
ある日 わたしたちは 大きなグランドで 何かを持てあまして しまったのだ 投げても届かない 振っても当たらない バットを構えても ピッチャーがいない たとえ打ったとしても ファールボールばかり それでもまた続けるのか 悲しい野球を 日本よ 磨いたばかりの白球を 投げよ
選手宣誓 秋が並ぶ
無数の よろしくお願いします の声が 座っている スタンド席 静かな緑
この先にあるのなら それは秋
記憶という名の球場で白球が豪速で
記憶の中で揺れるもの 記憶の中で揺らされているもの
秋の入り口 霞城
詩ト詩ト歩ク
詩ト詩ト歩ク
まず 記憶に花が咲いてから目覚める
詩ト詩ト歩ク
振り向くと 静かに笑っている 街の屋根 を統べる 風
詩ト詩ト歩ク
詩ト詩ト歩ク
詩ト詩ト歩ク 山形ビエンナーレ参加作品 まだまだ 続きます
ひとかけらのパンと 鮮やかなサラダが あなたの内側に 静かな雨と光を降らせるかのように やさしい声が 今朝もキッチンにあふれているね 一杯のコーヒーに 空や風や雲の表情を知る それからのほうがいい 窓を大きく開くのは
届けてほしいものがあります ふるさと
私たちは足あとをかき消さなくてはならない 深いところから こみあがってくる 豪雨の理由も 天を仰ぎ それでもまだ 鳥の影などひとつもないことも
新聞紙の上でサングラスを分解して新しい計画を立てよう 背中の羽根が激しく暴れるから白い馬は真っ黒くなった 難しい話ばかりしているから 木々はざわめき沈黙は髪を束ねる
誰もいない街 日本
足だけが先に歩いている 遠くの丘に 静かな碑が立っている 陽の光が照らしているのは 脱皮したばかりの ノコギリクワガタの複眼でしかない
誰かがいない かくれんぼの鬼しかいない
誰もいない 誰かがいない
宇宙へと終わらない問いを求めるのなら軽やかにステップを踏みながら朝の街を歩いてみるといい誰もいない街路に一つ一つの新しい歌の秘密がざわめくさざ波のようになってあなたの心を洗うだろうその時だわたしたちはいまここに浮かんでいる水際に忘れ去られた夏の浮輪です
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