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2018年10月23日
思い出せないのです
頭の中に
置き忘れてしまって
何が思い出せないのか
忘れてしまったものが
置かれていることだけ
ふと
たどりついた
秋の朝のまばたきに
思い出しています
力なく
笑うしかありません
これから
無意味な
思い出し笑い
をするしかないのです
2018年10月22日
僕のまなざしには いつも夕焼けがある
遠くの坂道を ゆっくりと歩いてくる
君の姿がある 長い影がある
ゆっくりと手を振ると 無限が手をかざす
僕の心には いつも夕焼けがある
言い尽くせない大きさと寂しさがある
真っ赤な雲を流れていく
胸の中の嵐と光を想う
2018年10月22日
おぼえた
ばかりの
けんけん飛びで
遠くまで
出かけて
行ったまま
帰ってこない
ぼくの
幼い頃の
寂しさを
こんな日は
追いかけて
いきたくなる
ひさしぶりに
けんけん
飛びで
2018年10月22日
ボタンの
かけちがいで
心がすれ違う
ことがある
もう一度
はめなおしたい
でも
そのままに
過ごして
しまっている
不揃いな
気持ちを
今日は
さっと
脱いでしまって
明日は
きちんと
着こなしてみたい
2018年10月20日
秋の朝に
顔や手や足や
樹木のような全身に
当たってきたりするもの
さわったりしているもの
この体
たった一人の命
たった一人のわたし
かけがえのないもの
涙を拭いて
目覚めることにしませんか
たとえ
眠れなかったとしても
2018年10月19日
ご紹介下さり ありがとうございます /「福島から北海道のみなさまへ(和合亮一さんの詩)」
⇒ https://ameblo.jp/kotobuki5430511/entry-12412661881.html … #アメブロ @ameba_officialさんから
2018年10月18日
人ごみに紛れて
帰り道
ポケットに入っている
誰にも気づかれないように
知らないふりで
改札を抜けて
ホームに立ちつくして
どうしようか
みんな
同じ気持ちなのだ
列車を
待っているふりして
カバンの中や
買い物袋や
ケータイの画面に
見つけているのだ
小さい秋を
2018年10月17日
わたしの手の中にしか
わたしの夢はない
あなたの手の中にしか
あなたの夢はない
あなたの種子はない
あなたの足元にしか
あなたを育てる大地はない
水のささやきは
あなたにしか聞こえない
吹かれたことのない
冷たい風に
深呼吸をして
秋の朝に
あなたの心に
言葉が満ちる
花の名が
2018年10月16日
ケータイのストラップ
「マーライオン」
ケータイのストラップ
「不思議の国のアリス」
ケータイのストラップ
「スワロフスキークリスタル」
ケータイのストラップ
「かみつきフィギィア」
ケータイのストラップ
「言葉」
ケータイのストラップ
「虹」
「雨」
「雲」
2018年10月16日
コスモスが咲くのは
秋だからではありません
あなたの心が
何かを忘れているからです
コスモスが揺れるのは
風のせいではありません
あなたの心が
ずっと騒がしいからです
コスモスが消えるのは
季節のせいではありません
宇宙の悲しみが
花の影を吸ってしまうからです
2018年10月16日
心のなかに
小石が投げ込まれて
誰かが
間違えたのだろうか
知らないふりしているのか
わたしの胸は
小さな波が
広がって
石は真っすぐに
沈む
なんだか
底に
たくさん溜まってきて
そんな重たさを
みんな
それぞれ
運ぶようにして
生きている
2018年10月16日
震災後に
何だか急に
仲が
こじれてしまった彼が
かつてのように
親しく
楽し気に
話しかけてきて
私も
すっかり嬉しくなって
なあんだ
嘘みたいに
仲直りが
出来たじゃないか
なあんて
大笑いして
目が覚めた
何かが
本当で
何かが
夢だった
のだろう