トップページ
詩
詩の礫
7月の15篇の詩
詩2015
エッセイ
ほんだなのまえではなしませんか
本棚の前でお会いしましょう
小さな窓を探して
いっしょに詩集を開きませんか~「毎日新聞」時評より~
エッセイ2014
エッセイ2013
エッセイ2012
ショートコラム
詩の読本
翻訳
Japanese
English
ムービー
こえのつぶて
プロフィール
facebook
twitter
検索:
投稿
来年のツイートには、もっと色々な風も入れたいと思っています。良いお年をお迎えください。ありがとうございました。山形の「和合りんご」をお届けするような心持ちにて…。
1月は4日ぐらいまでツイートはお休みいたします。新しい年に、詩と写真をお届けできるように、励みたいと思います。今年は「こえのつぶて」と称して、ペリスコープなどもやってみました。あらゆる表現媒体の可能性を、SNSは持っていると思います。来年も新しいことに挑戦してみたいと思います。
盾があり矛がある。光があり闇がある。否、どこかで闇を深く書こうとするからこそ、初めて光も描けるのではないか。闇をとらえることが光に向かっていくことになる。そのような感覚が私の詩には必要なのだと感じます。詩作は難しいし奥が深い。私の手に余ります。でもかけがえのないものを感じます。
今年は熊本へと出かけて、詩を書かせていただきました。フランスや韓国へも行かせていただきました。フランスの詩人たちからは「詩を盾と矛にしている」という感想をいただきました。未熟者ゆえ、その通りではないことだけは確かですが、詩作のヒントを大いにいただいた感じがありました。
「去年今年貫く棒の如きもの」(高浜虚子)は最も好きな句の一つです。「Like a stick」は「棒の如きもの」と重ねてみました。大晦日から元旦への瞬間をとらえる虚子の視点は凄いです。今晩、除夜の鐘を聞きながら、思い出していだけると嬉しいです。
来年は震災から7年目 福島の暮らしを言葉にして 福島などの風景を写真に撮って みなさんにお渡しできるように 新しい年も励みたいと思います お読みくださるみなさんの存在がなければ 成り立たない「詩の礫」です これからも どうか よろしくお願いいたします
「詩の礫」 24時間ツイート(?)に挑戦してみました 夜は眠っていますし かなり間を 開けつつの ゆるゆるの ツイートでしたが 24時間の意識で 連投してみました お付き合い下さった方 ありがとうございました そして何より 今年 1年 心の返球を下さり ありがとうございました
詩の礫 「Like a stick」 了 去年今年貫く棒の如きもの 高浜虚子
静かに まぶたを閉じる 懐かしい 昨日があって 慌てて 目を開いて 季節だけが過ぎて だから ずっと まばたきをして
涙が 止まらないときは うそをつく 悲しいから 涙を 流しているんじゃない 涙が流れるから 悲しいのだ と すると 涙は うそを つかれたまま もっと 静かに 頬を 濡らしてくれる はず なのさ
雪が降っている街 雪が降っていない街 あなたのまなざしに わたしはどんなふうに 映っていたのでしょう 雪が降っている街 雪が降っていない街 雪が降っている街 雪が降っていない街 風と粉雪に ほほ笑んでみて 元気にやっていますか あなたの 故郷にて
空っぽの 傘立て と 粉雪 まじりの空 しだいに 晴れ間が のぞくと 新しい 物語が 閉じられる ようにして 一本 また 一本 やってくる 雪が止んで やさしい 風とともに すっかりと 傘立ては いっぱいに
詩の礫 「Like a stick」
夕暮れ あの曲がどうしても聴きたくて 電車に乗り ケータイと ポケットの中のイヤホンを探して 見つけた コードが 絡まってしまって ほどけない いまの 僕ときみ だから 必死になって ほどいて しまいたい
あなたの心が 雨に打たれています 傘にいれてあげなくて いいのですか 一粒 一粒に 濡れてしまう かけがえのない 一つ 一つが だから 傘を開いて
「こわかったね ぜったい わすれないからね どうか こわい思いが なくなりますように」 たくさんの人の 眠りの中に 母から子への手紙は 置かれてあります
きみが ポケットの中に 仕舞おうと している地図は 僕が あの日に 無くしたものだ その裏側に 書き留めて おいてほしいんだ 二文字を 「故郷」と
風は 誰でもなく彼でもなく わたしたちに話しかけてくる 雲は 昼でもなく夜でもなく わたしたちを追いかけてくる 声と あしおとが聞こえた そんな気がして振り向く ただ 茫漠とした宇宙がある ああ こんなにも 広くて 大きかったのだ わたしたちの寂しさは
悲しみ に出会うと きみは かならず 声を おさえて やさしい 言葉を つぶやく その声に 息を整えて その声に 静かに泣いて その声に 歌を口ずさんで その声に 耳を澄ませて その声に 光と雲を 追いかけて わたしも 見あげたいのです 風を ともに
知ってほしいのです あなたの声に 耳をそばだてていると わたしのいまが 静かな波に 洗われていくことを 川のせせらぎに 心を遊ばせているようです 一度も まだ 話したことも ないのだけれど
あなたの 気持ちを 思ってみたことが なかったから 雨が降って あなたの 本当の想いを 知りたいと思って 小さな雨に ただ降られて そっと止んで ふと 気づく たったいま 傘を 置き忘れたことに 店の席だったか 電車の中だったか あなたと わたしの 心のどこか
わたしのほんとうの孤独を あなたは知らない わたしも知らない わたしのほんとうの孤独は わたしを知っている そして あなたを知っている
あなたの 笑顔が どんなに みんなを 励ましているか 知っていますか 知っています その後に ふっと見せる さびしさを だから 世界をいつも 親しいものに してくれる あなたの 微笑みを 見つめています
このように あなたの言葉の中には 言葉が埋まったままなのだ 見つかるはずがない わたしの家の庭にも 土が眠っているまま ある言葉が 消えてしまった いや 消してしまった ある土が 消えてしまった いや 埋めてしまった
精神的な ストレスにより あの日から 急ぐようにして 亡くなった方が たくさん いらっしゃいます 証拠はあるのか わたしはある日 はっきりと そう問われた ならば答えます わたしたちは ある 日曜日の 夜の 雨降る 東京駅の 丸の内口に立って 何かを見上げていた その寂しさが 真実です
手渡したい 言葉がある やさしさがある 祈りがある 明日がある 手の中に しまいこんで いつかは あなたに そっと 渡したいのです だから わたしの手は あなたの手を いつも 探しています
大きな見出しばかりに見とれて 大きな声に耳を奪われていると 小さな見出しを探したり 小さな声に耳を傾けることを 忘れてしまいがちになります 気づいてください わたしたちの毎日は 小さな見出しなのです 小さな声なのです
きみの椅子が ある日 ある場所に なくなって しまっていても 気にすることはない また 新しい場所に 新しい椅子を 見つけてくれば いいだけなのだ
元気が 出なくたって しかたが ないじゃないか 自分で 自分を 時には 欠席して しまってもいい 一日を まるごと 自分を 休んでしまって みても いいんじゃ ないだろうか
孤独の形とは 公園の蛇口 横断歩道 電気の消えた アパートの窓 倒れた三輪車 陸橋 街灯の下 雪が降り出した 空を見上げている わたし (そして その頭の上の雲) あまりにも 頑丈な あなたの 扉の形 手ごわい その心を 思い切って えいと 押してみよう そんな気持ちで あなたの 手を握ってみた
1
2
…
6
»