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あなたの夢を わたしは知りたい あなたの望みを わたしは知りたい あなたの幸福を わたしは知りたい あなたの未来を わたしは知りたい あなたの道を わたしはたずねたい あなたの涙を わたしは流したい あなたの怒りを わたしは受けとめたい 誰とあなたと
想っています そのことを 伝えたいと 想うだけで 「想う」 という 言葉が わたしの 真ん中で 行列を 作っている とても すごい 長さです
許すとか 許さないとか そのような 問題じゃない あなたと 生きている それだけで 全てが 許されてくる そうなるといい そうなるといい
夜更けの 家明かり 四階建て アパートの ベランダで 星を眺めている人 それは私です 誰もいない通りを 息を切らせて 走っている人 携帯電話で 恋人と話して 涙ぐんでいる人 階段の 電気を消した人 誰もが 私です 列車の窓から ずっと 眺めている私です
今日も あなたは 頑張っています よく 知っています あなたは わたしの 希望です どんなに 悲しみが 深くても あなたには やっぱり 笑っていて 欲しい あなたこそが わたしの 明日だと 想うから
わたしを すこし 許すような 気持ちで 新しい 豆を挽いて ゆっくり コーヒーを 淹れよう
生きている 自分が みじめだから 生まれ変わる前の わたしに 話しかけてみる どんなふうに 変わりたいと 思っていたのか 風で木が倒れていた 朝の夢のはなし
電車の ドアが開いて 無人の駅の 近くの家に つながれた 犬の鳴き声が 聞こえてきて 扉は閉まって 列車は駆けていく あんなふうに 叫んでいる 自分を 残酷に 残して
袋に 入れられて 土に 埋めら れていた 土が 掘られて 袋ごと 運ばれていく 「中間」 とは 何と 何の 間なのか
こえのつぶて
こえのつぶて
さびしさは 果物の内側にある それを探し当てたくて わたしはナイフを入れる 甘い果肉も したたる汁も いらない たった一個の 泣きたくなるような 種子が 真ん中に 確実に あればいい 皮を剥けば 涙が流れる
こえのつぶて
忘れられない 声の感じや 覚えているままの 言葉や あなたの笑顔や しぐさがあって ときには とても 寂しくなる そんな 風の吹く 胸のあたりから 夕やけがはじまる
あきらめることに 慣れてしまって 泣いてみたところで 何も見つからなくて それでも あきらめない 気持ちだけは 持っていたい それだけは あきらめたくない
歌でも 歌いたい ところなんだけど 窓にもたれて 夜が更けていくのに まかせて 口笛を吹いてみる 心の中で ずっと 風が吹いているから 口をすぼめて 息を 優しく 涙が出てくるね
あまりにも 長くて暗い夜を 耐えることに 自信がないのです 負けてしまいそうになるのです だから 明かりをともしたいのです 星を数えたいのです あなたと
こえのつぶて 22:00〜
告知 こえのつぶて 22:00~
こえのつぶて 番外編
こえのつぶて
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和合亮一 こえのつぶて
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