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福島民報新聞 連載エッセイ「詩の読本」 第180回目 となりました 現在 連載から 9年目の秋です ~ まずは第200回を 目指します(!?) 福島のみなさん いつも お読みくださり ありがとうございます ~
空よりも 海よりも 大きくて 深いところから 朝のサラダはやってくるのかもしれない ドレッシングソースは 雲の間にあるのかも あるいは クジラの目覚めにあるのかも
ひとかけらのパンと 鮮やかなサラダが あなたの心に 静かな雨と 光を降らせるかのように やさしい声が 今朝も町にあふれているね 一杯のコーヒーに 空や風や雲の表情を知る それからのほうがいい 窓を大きく開くのは
静かな音楽のあとで ささやきあうことも 語りあうことも むずかしい そろそろ 朝食を終えようと思う わたしたちは 席を立つ わたしと 静寂の 二人きりで
静かな音楽のあとで わたしたちは 涙をふかなくてはならない 悲しみをぬぐうことが出来なくても また次の音楽がはじまるから 「静寂」という曲が 朝のテーブルの上に流れている 冷たい水が飲み残された グラスが立っていて わたしたちの心が 横倒れになっていて