旅先にて

たくさんの人々が談笑する
駅の待合室は騒がしい
しかし なぜだか ふと
みんなが黙り込んだ瞬間があった

全員がそのことに驚き
はっとした だからよけいに
全ては 沈黙した
列車も途切れた この瞬間

私は 完全な静寂に
この世に ここに在ることの 不思議さを知った
そして 私も一人 いつか
列車に 乗り込まなくてはいけないことを

昨夜のホテルの部屋 深夜二時 ちょうど
誰かが やって来ていたのが分かって 目覚めた
波にさらわれた あの人だったのだろう
そうに違いない 何か 話したかったのだけれど

9月29日