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あなたのさびしさは わたしのさびしさ あなたの孤独は わたしの孤独 夜が深まる いま 同じ涙を 流している ところです
夜更け 陸橋から 夜の線路をながめながら いつまでも彼と 話し続けていたことを 思い出す 始発の電車が動き出して 僕らは別れた 約束した すぐの再会を そして ひとまず 眠ることを
語ることを避けているうちに 午前零時の叫び声を聞いてしまうことがある あなたの心が新しい日付に吊るされている瞬間である
語ることを避けているうちに 夜が更けてしまうことがある ならば 日本そのものが そもそも この夜のさなかにあるのだろう
眠るときに 言葉なんかいらない 目を閉じる 沈黙だけが訪れる それを傍らに どこまでも沈んでいけばいいのだ 静寂の底へ 寂しい 本当は 夜を明かして 語り続けたいのだ 星と 笑って
あなたの寂しさは あの空の かなたにあります あなたの孤独は この世界の この星の 孤独である 誰もいない 道がある 海がある 町がある