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いつもどこかに 忘れてしまうから 新しいビニール傘を 買ってばかり 雨が降れば 大事に握り 晴れてくれば また どこかへと 置き去りに
ある言葉が消えてしまった 中目黒が消えてしまった 新宿が消えてしまった 中野が消えてしまった 新橋が消えてしまった 九段下が消えてしまった 八王子が消えてしまった 立川が消えてしまった 水道橋が消えてしまった 花粉ばかりが飛ぶ 春が急いでいる
雨降る 山手線に乗って 春は どこまで行くのだろうか それを ぼくたちはまた 見送るしかないのだ ああ 春が急いでいる ぼくは ほんとうは鳥 ほんとうは雲 ほんとうは雨 ほんとうは宇宙 ほんとうは 落とし物
ぼくたちの孤独はどこにあるのか 言葉にしたくとも出来ない 昨日から明日へのレールの上にある ぼくたちの優しさはどこにあるのだろうか 駅の前に立ったままの自転車の影にある タクシーに乗ってぼくたちの悲しみはどこまで行くのだろうか それをぼくたちはまた見送るしかないのだ
ぼくたちの孤独は どこにあるのか 交わす言葉のなかに 捨てられた新聞のなかに 人が行きかう雑踏のなかに ふと口ずさむ鼻歌のなかに いつかふりあげたその拳のなかに 見あげた新しいビルの窓に 枝の先のつぼみのなかに 語られなくなった 幼い頃の野山の記憶のどこかに
本日開催 私も朗読とトークをさせていただきます お会いいたしましょう / 3月26日(日) 午後2時から開演 「つぶてソングの集い IN 杉並」 杉並公会堂大ホールにて 主催 つぶてソングの集いプロジェクト 詳しくは → http://www.tsubutesong.jp/event/20170326.html …
本日 午後1時半より 蓮田市図書館にて
お知らせ 本日 蓮田市にて講演させていただきます / 和合亮一講演会「福島から言葉の橋をかけたい~震災からの日々をめぐって~」3月25日(土) 午後1時30分~ 蓮田市図書館 問い合わせ 048-769-5198 詳しくは → https://www.lib.hasuda.saitama.jp
「新地町の漁師たち 」山田徹監督作品 東京上映の次は 大阪(上映中)名古屋 東京(再び) そして 福島にて 〜 応援 よろしくお願いいたします
満席で迎えた最終日 お伺いすることが出来て 良かったです トークをお聞きくださったみなさま ありがとうございました そして 山田監督に あらためて感謝いたします
いよいよ ポレポレ東中野上映最終日 山田監督と 上映終了後 トークを行います 混雑が予想されますが どうか 足を お運びください〜
わたしは 本当のことをあなたに 伝えたくて 雲になり 風になり 鳥になり 花になり 道になり 影になり 花になり 小川になり 誰かの 口笛になり 洗われている 米粒の一つ一つになり 朝になり そして わたしに戻るのです 目が覚めるのです 母の懐かしい声です おはよう 晴天
靴の中に藁を詰めているうちに体の重さが 加速度的に減少していくことを知った僕らは 鉛筆を削りながら芯を尖らせるしかあるまい 何故なら 原稿用紙の真ん中から 蛍光塗料の海が溶け出してくるからだ
それでもまだ 鳥の影などひとつもないことも だから 陽の光が皮膚を撫でるとき 樹木は屹立を奪う 地図が輝く波に晒されるとき 鳥の巣は青空を失くす
台風が迫ってきてゐるね 僕たちの体の血の中に 」 「 僕の頭は惑星の裏側の藪で考えあぐねてゐるね 」
初めから終わりまで 昨日の夜は口を割らないだろう だから 鉛色の腹を見せて魚たちは反転する 静かに息をしながら 樹木は髪を逆立たせて人になるから
むしろ小さな林檎が木になったままで 何も比喩化しようとはしないということが 静かな風の吹く中ではっきりとしているじやなゐか
奈落の底にあるかじりかけの林檎が宇 宙であることにまだ気づかないのか 茫漠としたとしたボールペンをどうすればいいのか 昼下がりの教室に燃え盛る零度はやってくる
チャイムは顔の半分を盗もうとして変な時間を知らせているばかり タバコの空箱が体育館の裏に落ちていた その中には極小な紫色のスケート靴があるだけだった 化学室の人体模型は腹話術の先生である
あ国境に紫色の名刺が落ちているのだ さきほど お昼の放送で教えてくれたじやないか 火星の半分を背負った山羊が火傷したので保健室へ
黒板に字を書いているうちに千年が過ぎた だからプウルの水は喜びながら氾濫している
いいのか なかったことに されちまうぞ
6限目の 終わり 少年も 友だちも 風も 雲も 光も 山の 稜線も 黒板も 飛行機雲も バスケットシューズも 倒れている自転車も 昇降口も ノートも みんな 6時限目の 終わり
ある日 少年は 飛行機の模型を もう少しで 作り終えることが 出来る 最後のところで 仕上げることが 出来ないのは 青空を飛ぶ その機体の映像が 先に 少年の 部屋の窓を さっそうと 飛び出してしまっているからだ 憧れだけで 終わらせないために 最後まで 設計図を にらむ
明日 少年は 釣りに出掛けよう 新しい釣り竿を 振ってみたり 磨いてみたり それを 握っていると 休日の風と雲が 心に ぶら下がっている かかった かかった
ある日 校庭で リレーの練習 バトンパス 1回目は失敗 2回目は 惜しいところで失敗 3回目で バトンを 渡すことが できた やっぱり 神様は 居るって 分かった
5限目 少年は 英語の時間に 新しい異国語の 勉強を続ける これら アルファベットが どうして 自分の意志の 一番の 理解者に なるのか これらの英文で 暮らしている 異郷の人々は どんな 心の目覚めの中で 異なる言葉を 話すのだろう 見つめる 「A」 飛行機雲
ある日 鏡で 顔を 映してみる すると 少年の 顔が のぞきこんでいる この時に 気づく この世界には もう一人の 僕が いること
ある日 窓を開けたまま 虫の声を聞くまま 風が入り込むまま 少年は眠りに落ちた 今日の終わりに あなたの過去を眠る 優しい子どもの寝顔は あどけないままだ そっと 髪を撫でよう おやすみなさい
ある日 少年は 背が高くなった 朝になって この前の 柱の傷よりも 高くなっていることを知った また つける 宇宙が 運命が 成長していることを 知らせてくれる 増える と 嬉しい
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