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詩ト詩ト通信➂ 私一人では 出来ない「プロジェクトです」 みなさんの参加や企画や提案を お待ちいたしております 早ければ 来年の春から動き出していきたいと思っております ご興味のある方は ご連絡をください 和合メールアドレスまで → mlc24699@nifty.com
詩ト詩ト通信② みなさんの住む街に出かけていき 出来れば一緒に 街や公園などを歩き 詩の連投をする 出来た詩を その街で活動をしている アーティストの方々と 絵や音楽や たとえば 即興劇などにしていく そして紙媒体や映像媒体やラジオ番組などに… 「詩ト詩トプロジェクト」
詩ト詩ト通信④ 自分の暮らす街・ふるさとを愛している アートと人との出会いを求めている 言葉と音楽とパフォーマンスへ動き出したい など 詩を真ん中において 人・街・言葉づくりを 長い時間をかけて … 「詩ト詩トプロジェクト」 しだいに ホームページも作る予定です
詩ト詩ト通信① 「山形ビエンナーレ2016」からスタートした 「詩ト詩ト」シリーズですが 来年の春ぐらいから ささやかに プロジェクト展開をしていきたいと考えております
詩ト詩ト 橋ヲ渡ル
詩ト詩ト ふるさと
詩ト詩ト 日曜日 了 / 良い日曜日をおすごしください ~
日曜日の朝のテーブルで わたしたちは ゆっくりと何かを わすれていく そして 思い出す この星が 公転していることを そして 体の中を 真っ赤な血が めぐっていることを しぼりたての ニンジンジュースを飲みのこして ゆっくりと 白い秋の 真昼間へと かたむく
静かな音楽のあとで ささやきあうことも 語りあうことも むずかしい そろそろ 朝食を終えようと思う わたしたちは 席を立つ わたしと 静寂の 二人きりで
静かな音楽のあとで わたしたちは涙をふかなくてはならない 悲しみをぬぐうことが出来なくても また次の音楽がはじまるから 静寂という曲が 朝のテーブルの上では 冷たい水が飲み残されたグラスが立っていて わたしたちの心が横倒れになっていて
静かな音楽のあとで わたしたちは話したい 昨日の一日の どんな風景が 朝の心に 宿っているのか わたしは バスの中から見た 高原の風景 秋の稲穂が垂れていた そこで 深呼吸をした いや 高速道路を行き過ぎる バスの中だった
詩ト詩ト 日曜日
静かな音楽のあとで シーザーサラダが運ばれてきた いくつもの野菜が 無感覚に サラダボールに 放りこまれて 折り重なったままに ドレッシングソースを待っている フオウクを入れようとすると 静寂がはじまる
空よりも 海よりも 大きくて 深いところから 朝のサラダはやってくるのかもしれない ドレッシングソースは 雲の間にあるのかも あるいは クジラの目覚めにあるのかも
詩ト詩ト 日曜日
トーストが焼きあがって来た バターが塗られていくけれど これは非現実的世界が迫ってきていることの 一つの儀式である 歯に ばらばらに噛み砕かれ 長い管を通り わたしたちは やがて咀嚼されて 消滅していく そんなことを わたしの耳を触りながら 考えている パンの耳も
卵の形をしているね 卵は 白い塩をふりかけて 卵が 卵であろうとする 最後の存在感を誇示している ああ テーブルには 塩辛い雨が降っている 歯をたてるしかない
詩ト詩ト 日曜日
一杯のコーヒーを トーストが焼ける前にも 早くも飲み干してしまった ボイルドエッグ をしばらく指で 転がして 殻を剥いて ああ はるか どこかの街で わたしたちよりも先に ささやき始めている テーブルがある さきを越されてしまったね 真っ白な塩をふりかけて
静かな音楽のあとで わたしたちは語りださなくてはならない 日曜日の朝食に わたしたちは 静寂と一緒に座って 何を ささやき始めれば 良いのかを
詩ト詩ト 日曜日