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『詩ト詩ト語ル/夜ノ図書館デ詩ノ灯リヲサガソウ』 9月24日[土]20:00〜22:30(19:30開場/入場無料・予約不要) 会場:山形県立図書館(遊学館)ゲスト:池永正二(ミュージシャン/あらかじめ決められた恋人たちへ) https://biennale.tuad.ac.jp/programs/1414
『詩ト詩ト歩ク/山形ノ街ノ交差点デ詩ガハジマル』 9月22日(木) 6:00~10:30
祖母のふるさと 山形で 祖母と一緒に ずっと歩くことが 出来たように思います 読んで下さった みなさんに 深く 深く 感謝いたします 本日の 詩ト詩ト歩ク ここで終了いたします 新しい何かを 見つけられた気がします これからも「詩ト詩ト」シリーズを よろしくお願いいたします
ぜんそくのひどい 子どもだった 祖母に連れられて 病院に行き お医者さんに 注射ですと言われると 泣き出して 逃げてしまうわたしだった 祖母が慌てて 追いかけてくる わたしは 診察室を抜け出したあと 急に行く場所がなくなり ただ 追いかけてくるのを待った 心配な顔で 追う祖母を
草むらに ほうり投げた ボオル まだ 見つからない 48歳になっても
何の翻訳もされていない風が陸橋を歩くから 紫色の手押し車で眠る河が 静かに脱輪していくのが分かる あなたを想っている 髪が流れる
宛先のない 手紙を巣の真ん中にとらえて 風に晒している 生涯の深い底から 手という言辞の与えられない手が 無数にたちあがり 白い封筒をとらえようと 指を伸ばす それを静かに眺める 薔薇の藪
静かに息をしながら樹木は髪を逆立たせて人になる 黒い羽根が落ちているから ここにも来たのだと分かった
空に名前を奪われたまま 虹色の空 私たちは足あとをかき消さなくてはならない 深いところから こみあがってくる 豪雨の理由も 天を仰ぎ それでもまだ 鳥の影などひとつもないことも
背中の羽根が激しく暴れるから白い馬は真っ黒くなった 難しい話ばかりしているから 木々はざわめき沈黙は髪を束ねた
フリスビーに乗り 秋が飛ぶ
山形 馬見ヶ崎 詩ト詩ト歩ク
ごうごうと山形
生きる
生きる
生きる
あなたは目覚めるだろう 河の音がするだろう 風も雨もあなたを痛めつけ この街から追放するかのように 吹きつける 降りつける 水は牙を剥くように ごうごうと流れる あなたは叫ぶ 水の先に 本当にわたしの人生はあるのか あるのだ 嵐の先に あなたの 本当の命が ごうごうと 生きよ
あなたは目覚めるだろう 河の音がするだろう 水は微笑むようにして流れていく あなたの生き方は 満たされているまま そのもの しかし あなたが本当に欲しいものは この先にある
あなたは目覚めるだろう 河の音がするだろう 水は軽々と 朝日を浴びて 語りかけてくる あなたの本当の人生は この先にある あなたはまだ それに気づいていない
あなたは目覚めるだろう 河の音がするだろう 水はそっとささやく あなたの本当のこころは この調べのさきにある あなたはまだ 目覚めていない 生まれていない
あなたは目覚めるだろう 河の音がするだろう 耳を洗う水の調べは あなたに何を語ろうとしているのか 誰だって生きていたい だけど 誰だって死の淵にいる
詩ト詩ト歩ク 山形ビエンナーレ参加作品 もう少し 続きます
おまえは 何に激怒するか 激怒に向かって 静かに問い 涙を禁じえない おれを おれは憎悪する
興味などひとつもないところに興味の源泉がある
よごしよごされわたしはいきる
みずぎわにおとずれるうつくしいそらのうらぎり
里芋 牛肉 醤油汁 空 雲 風の音 煮込む
石の波 硬い波 思念 馬見ヶ崎川
詩ト詩ト歩ク 馬見ヶ崎川
記憶を守る息の調べ
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