燃えあがるような絵の具を心に塗りこめてさえずりながら鳥は丘のうえを飛んで行った 無人のブランコが 少しだけ揺れていて 子どもたちのはしゃぐ声が 嘘のように聞こえてきて 呆然とした春の寂しさの真ん中には 砂場に転がったままの小さなバケツとシャベルとがある 人影はない 風の影がある
燃えあがるような絵の具を心に塗りこめてさえずりながら鳥は丘のうえを飛んで行った 無人のブランコが 少しだけ揺れていて 子どもたちのはしゃぐ声が 嘘のように聞こえてきて 呆然とした春の寂しさの真ん中には 砂場に転がったままの小さなバケツとシャベルとがある 人影はない 風の影がある
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